最終更新日 2008年10月6日
日本塑性加工学会
プロセス・トライボロジー分科会の概要
【目的】
塑性加工において、摩擦・潤滑・摩耗・表面損傷など(これをトライボロジーと総称する)は加工の限界を決めたり、加工法の可否を決定し、あるいは効率やコストなどあらゆる面で重要な役割を占めつつある。また最近は高品質な表面特性の創製、環境の保全など新たな課題もかかえている。
プロセス・トライボロジ分科会はこのような背景のもとで、より高いレベルでのトライボロジーの理論と技術の形成をめざし、大学や公的研究機関の研究者と各種製造業の研究者技術者が一堂に会して交流を深め議論する場を提供する。また各種の塑性加工法における個別のトライボロジー技術を深める方向と、加工法を横断的に眺めてトライボロジーとしての普遍性や相違性を明らかにし全体像を構築するという2つの視点を結合しながら活動を展開している。
【歴史】
1976年に河合 望教授(当時名古屋大学)らの提唱により発足して以来、4年を1期として現在第7期の活動にはいっている。これまで主査は河合 望(1期〜4期)、水野高爾(5期〜6期)、中村 保(第7期)、池 浩(第8期)、堂田邦明(第9期)、現在は第10期(主査 土屋能成 )に入っている。
【出版物】
本分科会が編纂して出版した図書/ 文献として次のものがある.
- 「塑性加工におけるトライボロジ」 日本塑性加工学会編 (1988)コロナ社. ISBN: 4-339-04278-1.
- 「プロセス・トライボロジー −塑性加工の潤滑−」(塑性加工技術シリーズ3)日本塑性加工学会編 (1993) コロナ社. ISBN: 4-339-04352-4.
- 資料「塑性加工を対象とした各種摩擦試験値間の相関に関する研究」, 塑性と加工, 28-321 (1987), 1007-1017.
日本塑性加工学会誌「塑性と加工」の以下の特集号の企画・編集に協力した。
- 第20巻 第227号 1979年12月号 「塑性加工におけるトライボロジー」
- 第24巻 第265号 1983年 2月号 「塑性加工における焼付き現象」
- 第34巻 第393号 1993年10月号 「塑性加工におけるトライボロジーの最近の進歩」
- 第36巻 第413号 1995年 6月号 「塑性加工のトライボロジーの基礎を探る」
- 第39巻 第455号 1998年12月号 「塑性加工用トライボシミュレータの現状と将来」
- 第45巻 第520号 2004年5月号 「加工における摩耗」
【活動方針】
年4回の研究会を開催する。うち2回は特定のテーマについて討論を中心としたもので最近は公開研究会とすることが多くなっている。あとの2回は工場見学を含み、関連の話題提供と討議をおこなう。
分科会の中での作業体制としては第7期より部会制を発足させ、現在、潤滑機構研究部会、摩耗研究部会、環境部会(第8期に新設),鍛造データベース部会、情報データベース部会、国際交流部会の6つがある。委員は希望する部会に参加できる。
また1989年度より年間活動報告書を発行し委員に配布している。また情報データベース部会では会誌「塑性と加工」での年間展望の継続的執筆のほか、塑性加工のトライボロジーの文献データベースを構築中であり(2004年5月現在約11600件)、毎年アップデートした情報を委員に配布している。また塑性加工とトライボロジーに関する国際会議情報や日本塑性加工学会誌「塑性と加工」の全巻総目次を3ヶ月ごとにUpdateして日本塑性加工学会会員にはファイルで提供している.
【規定】
(社)日本塑性加工学会 プロセス・トライボロジー分科会規定
(名称)
第1条 本会は,社団法人日本塑性加工学会(以下本学会と略す)プロセス・トライボロジー分科会(以下本分科会と略す)と称する.
(目的)
第2条 本分科会は,塑性加工のトライボロジーに関する学術・技術の発展を推進することを目的とする.
(活動)
第3条 本分科会は,前条の目的を達成するため,その構成員であるところの委員による調査・研究・情報交換・討論・資料収集および普及・啓発などの活動を行う.
(委員)
第4条 本分科会の委員は次のいずれかに該当し,主査より委嘱を受けた者とする.
(1)個人委員,すなわち,学校・国公立研究機関に所属するあるいは独立した本学会の会員で,本分科会の運営および活動に積極的に参加する個人.なお特に認められた,企業に属する本学会の会員も含むものとする.
(2)企業委員,すなわち,本学会の賛助会員である企業または機関に所属する本学会の会員で,本分科会の運営および活動に積極的に参加する個人.
(入会および退会)
第5条 本分科会に入会,または本分科会から退会しようとする者は,本分科会に所定の入会届けまたは退会届けを提出する.主査は,運営委員会の議を経て,委嘱または解嘱する.
(運営)
第6条 本分科会の運営は本学会の定款とその細則,および分科会規程に従う.
2.本分科会の事業方針・予算・規定その他の重要事項は委員総会の議決による.
(組織)
第7条 本分科会に主査,幹事のほかに運営委員若干名を置く.3者で運営委員会を組織し,本分科会の運営にあたる.
2.運営委員は,本分科会委員の中から互選される.
(経費)
第8条 本分科会の経費は,本学会より交付される運営費,分科会会費,その他の収入による.
(事務局)
第9条 事務局は原則として幹事の所属する職場の所在地に置くこととする.
附則 本規定は、平成14年4月16日の総会で決定し,即日実施する.
【分科会への入会申し込み方法】
委員は個人委員と企業委員からなる。個人委員は主として大学・公設研究機関に所属する個人(塑性加工学会の正会員であること)で年会費3000円、企業委員は塑性加工学会の賛助会員である企業が委員を定めて加入するもので、年会費2万円。
【問い合わせ先】
松本 良(大阪大学 大学院基礎工学研究科 機能デザイン領域)
Tel 06-6850-6197B E-mail: ryo[at]me.es.osaka-u.ac.jp
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