「接合・複合」分科会のご紹介
主査 山崎 栄一
1.名称「接合・複合」分科会
2.分科会の狙い
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省資源,省エネルギーが叫ばれて久しく,さらに,今世紀に入り地球環境保全を考慮したエコロジー生産,生産COE(Center of Excellence) としてのマイクロ・ナノテクノロジーが中心課題となってきている.これらの時代要請に応えるキー・テクノロジーのうちの大きな1つが接合・複合技術である.この技術により,これまで,バイメタル軸受,高価な耐摩材を必要箇所のみに配したカム等のように部品点数を少なくしてコンパクト化,経済的な生産がなされ,また,FRP,FRMのように相反する特性である軽量化と強化を両立できる高機能材料が創出されてきた.最近では,多機能を集積化したアクティブ材料であるスマートもしくは知能材料創製にも複合技術が関与する.また,半導体に原子オーダーでイオン注入してナノ部品を製造する工程は1つの究極の複合技術である.他方,長い歴史を有して既に完成されたかのように思われるボルト接合などにおいても,自動車ホイールのボルト折損によって事故が多発するなど,正しい使い方がなされていないといった現実もある.
このように,接合・複合技術は決して完成された技術でなく,発展途上で多くの夢ある技術である.開発のためには,加工機構の解明,材料物理学,材料化学からの検討と多くの考慮点があり,機械,材料,化学と各関連の諸学会が重要課題として取り上げ,研究が精力的に進められている.ただし,これら個々の面をそれぞれ独立に進めていくのみでは,有効で最適な開発を行い得ない.キャリヤの異なる研究者が一堂に会し,お互いの建設的主張を述べてこそ効率的開発を行いうる.わが国では生産加工技術を進展させていくにおいて,中核として貢献してきた塑性加工学会こそがその役割を担うべきである.当分科会は玉川大学町田教授のフロンティアスピリッツの下に,委員を選別することなく大きな間口を拡げて,1990年5月に設立された.現在第4期にあり,100名近い広い技術分野からなる委員によって活発に運営されている.
研究会においては,主として先端的技術,萌芽的研究を抽出して活発な討論等が行われ,研究班活動にも独自の展開が成されている.それらが委員相互の啓発となって2重3重の応用発展技術が開発されてきたことは,学会活動の趣旨を体現することとして意義あることと認識している.
バブル期は,主に土地とマネーゲームによる空虚な好景気であり,現在,このような手段では経済を動かせない状況で停滞している感があるが,今こそ真の実力が問われる時期であり,技術開発の果たすべき役割は益々高まっており,分科会はこうした時代の要請に応えることが出来るよう,幹事および運営委員を中心に企画立案し,研究班および研究項目をさらに充実して成果を挙げるとともに,活発な事業を展開して行く予定である.
3.主な活動
- 3-1 研究項目
- (1)実態と可能性の調査
- (2)整理・分類・系統化
- (3)接合・複合体の評価システムと問題点
- (4)接合設計基準
- (5)技術改善・新技術開発の方法
- (6)その他関連事項
- 3-2 運営その他
- (1)運営委員会を組織し円滑な運営をはかる
- (2)研究会、見学会、総会など年3〜4回分科会を開催する
- (3)必要に応じ作業班や共同研究班をもうける
- (4)成果は可能な限り学会事業に提供する
- (5)学際的活動により学会の会勢拡張に寄与する
- (6)その他
4.分科会の運営
- 活動方向,予決算案,事業企画,その他重要事項については,学会諸規程ならびに分科会規則類にしたがい,幹事会でつくった原案を運営委員会に諮り,審議結果にしたがって処理する.ただし分科会の方針,会則の変更,経理状況,委員動静などの重要な事項は,全委員に報告する.
5.接合・複合分科会組織図(2014年6月現在)
(研究班) (○リーダー)
A 文献調査研究班(1990〜)
構成員検討中
B 試験評価研究班(1992〜)
・・・休止中
C ミクロ接合・複合研究班(1994〜)
○早乙女・木村・森
D 分離・解体技術研究班(1995〜)
○木村・三木・富田
E 機械工具研究班(1999〜)
・・・休止中
F 未踏接合技術の開発・実用化班(2009〜)
○外本・廣田・丸茂・森(昭)・大塚(誠)・木村(彰)
G シートメタル複合加工システム研究班(2012〜)
○村上・丹羽・春日・寺前・小山
6.2009年度運営委員会構成(2014年6月現在,15名)
- 主 査 山崎栄一(新潟工技総研)
- 顧 問 森 敏彦(名古屋大)
- 幹事長(運営委員長) 吉田一也(東海大)
- 幹 事 川森重弘(玉川大),長谷川収(東京産技高専)
- 委 員 安部洋平(豊橋技科大),池田 毅(三菱電線工業),大塚利明(本田技研),加藤数良(日本大),
木村 南(国立東京高専),早乙女康典(東北大),原田泰典(兵庫県立大),広田健治(九工大)
- 監 査 牧清二郎(三重大),松井伸介(千葉工大)
7.幹事分担
| 総括*1 | 企画*1 | 会計*2 | 資料*3 | 会場*4 | 議事*5 | 会員*6 | 情報*7 |
吉田(幹事長) | ◎ | | | | | | | |
川森(事務局) | | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ◎ | |
川森(代行) | | ○ | ○ | | | ◎ | ○ | ○ |
長谷川 | | | ◎ | | | | | |
- ◎まとめ役
- *1 運営(含主査,顧問,運営委員)
- *2 請求,領収,出納,台帳
- *3 分科会資料集の作成,配布,保存
- *4 会場設営,プログラム,講師,原稿依頼,運営
- *5 議案,議事,議事録,資料,案内,参加名簿など
- *6 入退会,名簿,対外窓口(学会事務局など)
- *7 年間展望,各種情報収集・連絡,Web